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――逃げろ!!!!!

 季節外れの下駄、ガッポガッポと音を立てまっさらな積雪の上を汚していく。足跡。足跡。解けた雪が足袋に滲む。冷たい。気分が悪い。
 けれど逃げなければならない。そうする他無いのだ、兎は獅子を見かけたらそうするしか。それは決まっている事なのだ。弱者は、強者の餌となるという事。
(一体全体何なんだ何なんだ何なんだ何なんだ!!!?!!?!??)
 眼を涙で湿らせながら討々軌は逃げる。背後を何度か刃がかすめる。気に入っていた西洋風の上着ジャケットは、既に襤褸だ。
 迫り来る死。
(如何する?!如何する?!如何する?!如何する?!如何する?!ってか何処だ此処はぁああ?!!!)
 辺り一面の白、降り積もる雪は純白に染め上げる。冷たい空気の中を曇る息が昇り、肺は躍動し、指先・頬は赤く火照る。静まり返った世界の中で、二つの足音だけが奏でられた。削られる雪。
「ぬあ!!」
 討々軌がよろけ、そして転ぶ。顔に身体に掌に、冷え切った白雪。
 片足が深みに嵌ったのだ。被っていく粉雪は、時にこうした穴をも隠す。はしゃいだ子供が仕出かした失態宜しく、討々軌はぬかるんだ足を急いで抜き振り返る。そこに立つ、左抜刀の死神、『月影』。
「や……ぁぁぁあああああああああ!!!!」
分かるのだ、自分と死との距離が。何せ、眼前に立つ男は『死』そのものなのだから。
 喩え『吟喃』が天宮最凶の殺し屋集団だったとしても、無敵というわけは無い。どんな強者にだって天敵というものは存在する。
――『機動烈士隊』
『吟喃』にとっての天敵はそれにあたる。時の大将軍・大凰帝によって創設された、言ってしまえば公的な殺し屋集団。
「つ、『月影』……やめ…助……殺さないでくれ!!!」
「……哀れなものだな」
 緩んだ手を握りなおし、『月影』が刀をつぃと向ける。今、この男の目には自分はどのように映ってるのだろうと討々軌は考えた。プライドも何もかも崩れ去り、涙も汗も鼻水も入り乱れたこの顔は、どれだけ不細工で滑稽だろうか。
「下郎め、命乞いとは情けない。人を人と思わず斬り捨てたその報い、噛み締めろ」
 『月影』が一歩踏み寄る。討々軌は引く。ざらついた氷雪の表に載せた手が痛い。
「くっくく来るんじゃねえぇぇ!!!!」
咄嗟に握った雪球が『月影』に向かって飛んだ。避ける事も無く、球は『月影』の顔に当たって砕け散った。白い粉末が飛び交い、降りる。『月影』の顔色は変わらない。
 また一歩踏み寄る。
「死ぬ前に名を聞いてやろう。拙者は機動烈士隊・隊長、明烈。……おぬしの名は?」
「おれ……俺は……」
声が引きつっていた。更に近づく『月影』を避けるように討々軌は下がる。
「俺は……」
「名乗れ」
 冷える。雪原の上の尻が冷える。手も冷える。襤褸同然になった上着が痛々しい。結構高かったのだ。
 眼前の死神、『月影』もまた冷え切った眼差しを向けている。立派な鎧だ。それこそ天下の大将軍に愛されている証拠であろう。討々軌は『月影』を上から下まで軽く見た。
――刹那に懐から拳銃を取り出し、討々軌が撃つ。
数発撃ち込んだ銃弾は、一つとして当たらない。もう既に『月影』の姿は消え失せ、更に眼前まで迫っている。斬られる。斬られる。
 全てがゆっくりと見えた。死に際という奴を味わっているのだと討々軌は思った。鋭い光を放つその刃が、じわり、じわりと迫ってくる。痛みも無く消えてしまうのだろうか。血は凍る。それこそ寒さではなく、恐怖の為に。
 あと一尺、それだけ動けばこの刃は自分へと深く食い込むのだろうと、そう考えた時、
「?!」
『月影』の膝が折れた。刃は角度を変え地に伏した。
「な……?!」
顔を掌で押さえる『月影』。それを確認すると討々軌はまた数発撃ち込む。一発がかろうじて『月影』の足をかすめた。血が流れ、白雪を染め上げる。
「貴様……一体何を……!!!」
 荒げた呼吸のまま、討々軌は『月影』を見やる。銃口を向ける。眼は、見開いて。
「雪球ん中に睡眠薬を混ぜておいた。特注の、即効性のある奴だ」
「くっ……!」
 苦悶の表情のまま『月影』の目蓋が閉じていく。討々軌は銃口を引く。しっかりと、確かに。
空の音が静寂の中に響く。どうやら、弾切れらしかった。苦しみ呻く『月影』めがけ空砲が飛んでいく。
「やっぱし手前らには死神が憑いてんだよ……」
頬を引きつらせ、討々軌は拳銃を投げ捨てた。雪に埋もれる。
 いきなし振り返って、討々軌は走った。後ろには『月影』が残される。十分もすれば意識ははっきりとするだろう、長居は無用だ。下手に近づけば容赦なく斬られかねない。
 出来るだけ遠くへ。
 逃げろ!逃げろ!逃げろ!
「本当に……」
 疲れ。身も心も、疲れた。だが走らねばなるまい。
 帰ろう。このまま戻ろう。他の奴らもそうしている筈だ。そして頭に文句を言わねば。
「本当に今日は何なんだ!!」
討々軌は叫んだ。誰も聞いてはいない。虚しく響いた声が空へと消えていく。





 『蒼き栄光』。
 嘗て『吟喃』の看板手だった男。愛用の苦無を的確に急所に突き刺すその殺しは一切の流血を伴わない。『吟喃』暗殺専門。
 派手な流血を好む瞬殺専門の自分と並んで吟喃二枚看板と称されたその男は、いつしか『蒼き栄光』とまで呼ばれるようになった。
 嘗て自分の相棒だった男。
 そして全てを裏切った男。
――目の前にいるのは、紛れも無く、その男。
「『蒼』……!!!」
 妙な心地だった。長年求めていたものがあまりにもあっけなく手に入ってしまった様な心地。狂喜と喪失とが織り交ざる。現を現として捉え切れていなかった。
「何故お前がここにいる……!!」
「それは俺も同じだ、『紅』よ。『吟喃』が絡んだ仕事だとは聞いてはいない」
 道を外れたその先にある、北の大地の崖の上。松が所々に見え、下には川が流れている。
両者は見合い、そして既に各々の刃に手をかけていた。
『紅き竣功』は小太刀。
『蒼き栄光』は苦無。
「……まあいい。『出遭った』、その言葉だけで十分だ。死ね、『蒼き栄光』!!!」
 決めたのだ、次に見たときは殺すと。それが裏切り者に対する制裁と、敬意だ。
 暗空は大地を蹴った。空を切り、『蒼』に近づく。狙うは首筋、手馴れた筋書き。
「待て」
刃は『蒼』をかすめ、瞬撃は不発に終わる。振り返り、苦い顔で『蒼』を見つめた。暗空の足には苦無が一本、いつの間にか刺さっている。
(流石は『蒼き栄光』ってこった……)
そうだ、この男は涼しい顔でこうした芸当をやってのけるのだった。まるで手品。暗殺専門の名は伊達でない。そして既に『蒼』の手には新たな苦無が二本携えられている。
――脚で済んだ、だと?
「待て、『紅』。思わないか、何かが妙だと。俺は思うのだ」
苦無を抜き、捨て、暗空はまた構え直した。痛む。流れ出る血が腹立たしい。
「妙だと?確かにそうかもしれないが、俺にはそんな事はどうでも良い」
武器による間合いの違いを暗空は感じていた。小太刀ではあの男に近づく他にない。互いに離れたこの状況に少し危機を抱いてしまう。
「『紅』よ、聞け。妙だ。俺は今、殺し屋殺しの殺し屋として動いているわけだが」
「知っている」
「そうか。まあいい。兎に角その都合として俺はお前らが関わった依頼には手を出さない。『吟喃』が、国に手を出さないのと同じようにな。だが、お前はここにいる」
「……何が言いたい?」
「はっきり言おう、俺は、俺たちは嵌められている。そう考えるのが適当だろう。だがしかし、一体誰がだ?何の利点があるというのだ?」
 『蒼き栄光』と『紅き竣功』とがぶつかり、得をする人物――。そんな者がいようものか、と暗空は思った。
 いるわけが無い、あらゆる意味を込めて、可能性を考えて、そんな者がいる筈が無い。得する人物といったら、自分だ。
「お前は誰だと思うのだ、『蒼』よ。俺たちを嵌めているのは、誰だと」
暗空はにじり寄った。口はこうして話していても、心内は殺意に満ちている。
「知らん。見当が付かない、だから聞いている。……しかし、あるとするのならば、この仕事を依頼した男。それしか思いつかない」
「誰だ?」
視線を『蒼』の苦無に向ける。次はヘマをやらかすわけにはいかない。次は、確実に急所に飛んでくる。
「身なりからして武者だ。名は確か」
少しだけ間を置き、思い出す仕草。
禍霊万カルマ

――『蒼き栄光』の身が大きく吹っ飛んだ。

「……!?」
 思考が追いつかなかった。思わず眉を顰める。追った眼の先に広がるのは、『蒼き栄光』が下の川めがけて落ちて行く光景。
 そして先程までの場所に残る、巨大な斬馬刀と
「お前……新入り……?」
虚っぽの男。





「ただいま戻りました、と」
 疲れ気味の声で鳶飛は戸を開けた。ただ散歩しただけなのに、どっと疲れが押し寄せる。まだ陽は昇っているがもう寝ようと思う。起きた頃には皆戻ってくるだろう。そしたら酒を飲もう。それが良い。
「お頭?」
頭の姿が無い。まだ戻っていないのだろうか。辺りを見回しても矢張りいない。とりあえず、鳶飛は座布団をもって来、横になった。
 静寂。沈黙。隙間風。
 ふと、なんだか鉄の様な臭いが鼻についた。向こうの方からだった。中途半端に開いた戸がある。
 身を起こし、そちらに近づく。戸を開ける。少し薄暗さの残るその部屋は、いわゆる物置のようなものだった。
 と、足下に違和感を覚えた。ぬめり気のある感触。生暖かい。
「あ……」
すぐにそれが血だという事は分かった。そして、床に広がる紅い血溜まりの中心に頭が倒れ息絶えている事も。
「お頭?!!」
 近寄る。頭の目はもう死んでいる。生きていたらおかしいだろう、何故なら、四肢は全て分離し、更に細かくされている箇所すらある。
手に血が付着する。
「な……?!」
冷たくなりかけた死体。また床に置く。逝った眼。
(如何する?!)
誰かに知らせよう、それからだ。今の自分にはどうしようもない。一人では、独りでは――
思わず唇を噛む。
「鳶飛……?」
 不意に背後から声。討々軌である。その西洋風の上着はズタズタになっている。もう、戻ってきたのだろうか?
 悲痛な顔で此方を見る。
「手前……お頭を……!!!!」
 鳶飛は出しかけた声を掻き消された。討々軌は身を震わせている。
「違、俺じゃ……」
「何やってんだ手前……!!!」
「俺じゃない!!」
「ふざけた事言ってんじゃねえぞ!!!」
 討々軌は懐を探った。
 その眼を見て直感で鳶飛は理解する。自分は頭を殺した汚名を着せられ、処刑されると。どんなに自分が弁明しても、この男は信じないだろうと。
――だから、走った。
「な……待て!!!」
 この場を去る事が何を意味しているのかは分かっていた。だが、この場にいても如何仕様も無いことも確かだ。この場にいたって、討々軌を殺す他する事はないのだ。
鳶飛は駆けた。駆けた。駆けた。
過ぎ行く風景と後ろの溜まり場。失うものが多すぎると思った。それでも、こうする他に無いのだ。
 絶望。
 後悔。
 喪失。
 鳶飛は涙を浮かべた。風に乗り、涙は弾けて飛んだ。





 『蒼き栄光』は真冬の谷底に突き落とされ、そして息絶えた。その様子を暗空は終始見ていた。
「何の真似だ?」
 目の前の男に告げる。禍霊万という名の新入りは、かわらずの雰囲気でゆっくりと近づく。
「助けた、とでも言うつもりか?悪いが余計なお世話だったな。第一……!?」
 何の前置きも無く禍霊万がその斬馬刀で斬りつける。
「お前……!?」
何も答えない。ただ黙々と与えられた仕事をこなすかのように、斬撃を続ける。
「裏切りだぞ、お前のやっている事は!分かっているのか?!」
それでも禍霊万は声を発しない。大降りながら迅速にその大刃を振り回す。
 その一発が暗空の肩をかすめた。『蒼』の苦無のせいで動きが鈍っているのか?
違う。
(何なんだこの感じは……!?)
 感覚がおかしい。いや、感覚は正常なのかもしれない。狂っているのは目の前の男だ。あまりにもこの男が虚っぽすぎるのだ。
「何故『蒼』と俺を殺す必要がある!」
 確かにそこに、目の前にいる筈の男から何も掴めなかった。呼吸、殺気、あらゆる気配の全てが、何も無い。まるでそこに何も無いかのように感じてしまう。距離感がつかめない。
(『蒼』が不注意であんな近距離許す筈がないんだ……。なんだ、こいつは?!)
 隙を突き、脇の方から暗空が踏み込む。大刃の小太刀を振り、下腹部に刺しそのまま掻っ裂く。
 流れる筈の血は流れない。
そこに隙を許した。驚く間もなく、暗空は崖の方に吹き飛ばされた。
「くっ……!!!!」
 危うく落ちかける。何とか出っ張った箇所に捕まり、宙吊りのような状態である。下の川までには相当距離がある。流れも速い大きな川。ほぼ、死ぬだろう。
 禍霊万が歩み寄る。虚っぽの眼。
「何が、何が目的だ?俺を殺して如何するつもりだ?」
見下ろすその眼差しに、恐怖さえ覚える。
「答えろ!!!」
「全てには」
 禍霊万が口を開いた。
「準備が要る」
それだけを言い、斬馬刀をゆったりと持つ。
 暗空は下方を見た。そしてまた上を見た。どっちにしても絶望的である。
(ここまで、なのか?)
決して胸を張れるような人生を歩んできたつもりは無いが、しかしまだこんな所で終わりたくは無い。今まで数え切れない程の命を奪ってはきたが――。
 軽く、この掴んでいる箇所をなくしさえすれば、自分は真っ逆様に落ちて死ぬ。
 禍霊万が振りかぶった。

「少し、おふざけが過ぎましたねぇ」

 ふわり、と。禍霊万の身が暗空の上に舞い、そしてそのまま落ちていく。背中には数え切れない程の銀の羽根が突き刺さる。
「大丈夫、ですか、暗空?」
奥から出てきたのは西洋兜をぐらつかせた男、猟雅だった。苦く口元を笑わせ、手を差し伸べた。暗空はその手を握って再び大地に足を着く。
 また川の方を見やる。やはり川の流れは速い。禍霊万は浮かんではいなかった。
「死んだ、か」
「そうでしょうねぇ、流石に」
 溜息を吐く。今まで仕事で傷を負ったことが無いのが暗空の誇りではあったが、今はそんなことも言っていられなかった。
「いつからいた?」
「今通りかかっただけです。少し気にかかりましてね。貴方の言った通り、此方もステキな演出がなされてましタ」
 暗空の胸中には黒く、どろどろとしたものが渦を巻いていた。そんなもの吐き出してしまいたかった。気分が悪い。
「暗空、何があったんです?」
「『蒼』と遭った。今は、あそこだが」
 暗空は顎で崖の方を指した。
「あの新入りが殺った。それからは、お前の見た通りだ」
「新入り……禍霊万は何か言っていましたか?」
「何も。全く、わけが分からない」
暗空は眼を閉じた。軽く頭を振った。だが何もすっきりとはしなかった。
「帰りましょう、暗空。ちょっとばかしヤバイ事になってるんですヨ。『紅化粧』に二人ほど斬られましてね」
「……そうか。なら長居は無用だ」
二人は足を進める。去り際に、暗空はまた崖の方を見やった。

 戻った暗空と猟雅を待っていたのはどよめく同志たちであった。大体の顔ぶれはそろっていた。皆、既に逃げ切ってきたらしい。
「どうしたんでしょう?」
怪訝そうに覗き込む二人に、珍しく真剣な顔をした討々軌が人だかりの中から出てきた。
「何かあったんですカ?」
「お頭が死んだ」
言葉が胸を突き抜ける。
「本当に?」
「それと、お頭のあの鎧もない。……鳶飛の奴が殺った。今しがた逃げたところだ」
 暗空にはよく分からなかった。どの様に感情を表せばいいのだろう。あまりにも多くのものが、いっぺんに混ざりすぎている。
 猟雅が兜の上から頭を掻いて、
「追って来ますね。どっちに行きました?」
と聞いた。そして足早に消えて行く。
 改めて皆の顔を見る。なるほど確かに、そういった顔をしていた。
「鳶飛が殺ったという保障は?」
討々軌に訊ねた。
「お頭の死体は『解体』されてる。見てみれば分かる。んな芸当、あいつぐらいなもんだろ?それに、あいつが去ろうとするところをこの眼で見た」
「……そうか」
討々軌はそう言うと更に顔を歪ませ、苛立ちを明らかにした。頻りに足を揺する。
 当然だろうと暗空は思った。頭が死んだのだ。だが、今の自分は何も感じてはいない。今の自分の心が、分からない。悲しいのか?怒っているのか?戸惑っているのか?
「暗空、如何する?皆腹立っておさまんねえぞ?」
「お前にしては珍しくまともな事を言うな」
「ああ?手前今の状況分かってんだろ!」
「冗談だ」
 今の自分の気持ちが分かった。皆と同じだ。腹が立っている。だがそれは、鳶飛に対してでも、当然討々軌に対してでもない。
全てに、だ。それは朝から変わらない。
「討々軌、処刑専門だけでなく『吟喃』総出で鳶飛を追う。文句はあるか?」
 討々軌は横に首を振ると皆の方へ向かった。
(お頭を失った俺たちは、このままでは分裂しかねない。今はこれで何とか繋ぐ)
 今から頭の死体を拝まねばならない。
疲れた。
眼を擦る。今見えているのは、確かに現実という奴なのだろう。
カルマ、か……」
 暗空はこの日、何故だか全てが気に入らなかった。寒さの為か、否か、それは本人にも分からない。浅目を覚ました其の時から腹が立つ。日ごろ見慣れている殺し屋連中の顔も打ん殴ってやりたい衝動に駆られた。だから当然、頭に紹介されたその新入りの顔も気に入らなかった。
 この日は何かがおかしかった。何かが、狂いだしていた。


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